(無職=元教師 東京都調布市 45歳)
西表のことが心から離れない。
一昨年は修学旅行(私立中学校)の引率をし、個人旅行では山歩きもした。昨
秋は節(シチ祭)の見学におじゃました。山・川・海、そして島に生きる人々の
持つ伝統と文化の中に計り知れない豊かさを見てきた。
さて西表島のトゥドゥマリ浜付近の「リゾート開発」は、私の住む東京の企業
が手がけているが、その経緯に疑問が湧いてきた。
本紙によると、一昨年十一月に竹富町長室を訪れた社長(当時は上野村民で
「長者番付の横綱」)は「観光を手がけたい。町民になって良いか」と尋ねたそ
うだ。後に納税額が十数億と知った町長は「まさか億単位で頂けるとは」と驚い
たとも。(02/11/30朝日夕刊)
その自治体に所属する個人が所得や財産に応じて納める金を、企業の「投資」
として悪用する手法? いやいや、これは納税制度を悪用した一種の「贈収賄」
ではないのか。上野村は「痛手」を嘆いたとも聞いた。
金にもの言わせ「移住」を続ける幻の人影。その対極に、歴史に学び島の未来
を語り合う人々の真摯な眼差しを想い起こしている。
【原文は12字で38行】
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